陥入爪・巻き爪とは
陥入爪は、爪の角が、皮膚の中に食い込んでいる状態をいいます。ほとんどは、足の親指(第1趾)におこります。爪の角がトゲとなり、皮膚に刺さると腫れ、強い痛みを伴い、時に化膿します。
巻き爪は、陥入爪がさらに進行し、爪に変形が生じている状態です。爪は側縁が丸くなり、徐々に指の中央に向かって巻き込まれます。
爪の角を切ると一時的に痛みはなくなりますが、爪が伸びると、さらに巻き込み、より重症になります。
皮膚に爪が刺さり、さらに爪の刺激に反応して赤い肉が盛り上がってくることもあります。
原因と治療
【原因】
原因の多くはいわゆる“深爪”をすることによります。歩くと床からの力で肉が爪の縁から持ち上げられ、その肉が爪を押して巻き爪となります。爪を切った外側は、爪の一部がトゲ状になり、それが刺激の原因になります
ハイヒールなどのつま先の狭い靴を履くことも原因の一つです。
他に、長時間の歩行や走り回るスポーツ、生まれつきの異常の場合もあります。
【治療】
炎症や、化膿がひどい時は一時的に爪の角を切って、痛みを押さえることはできますが、爪が伸びればまた同じことが起こる可能性が高く、根治的な治療とは言えません。また爪の弯曲が強まる可能性があります。
赤い肉が盛り上がっているところには化膿止めの軟膏を使用したり、テープで引張たりして、炎症を治めていきます。また、爪が食い込んでいるところには、コットンパッキング(爪と皮膚の間に綿を挿入します)を行い、直接の刺激を避けるようにします。
手術(フェノール法)を行うこともあります。昔のように皮膚まで切って縫う方法は行っておらず、図のように食い込んだ爪の縁を爪母(爪の根元)から切除します。その後、フェノールという薬剤を綿棒に浸して、爪母にあて、切除したところの爪が生えてこないような処置を行います。 この方法では術後の痛みは少なく済みます。
超弾性ワイヤーを用いた爪矯正
当院では2003年以来この矯正法を行っており、現在まで約150例に行い比較的良好な成績です。
直線状のワイヤーを爪の先の部分に穴を開けて装着します。装着は簡単で痛みはありません。
爪が拡がって痛みが取れれば、外して様子をみたり、1-2カ月ごとに取り替えたりします。
但し、深爪の人や、爪の水虫で、もろく厚くなった爪には使用できないことがあります。
また、時に矯正力が強すぎて爪が割れることもあります。